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キム・スム『さすらう地』岡裕美訳、姜信子解説、新泉社、2022年)

2,530円

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【仕様】 四六判上製312頁 2300円+税 ISBN 978-4-7877-2221-8 2022.06.15発行[ 在庫あり ] 装幀:北田雄一郎 【紹介文】 「ママ、ぼくたち“るろうのたみ”になるの?」 1937年、スターリン体制下のソ連。 朝鮮半島にルーツを持つ17万の人々が突然、行き先を告げられないまま貨物列車に乗せられ、極東の沿海州から中央アジアに強制移送された。 狭い貨車の中で語られる人々の声を物語に昇華させ、定着を切望しながら悲哀に満ちた時間を歩んできた「高麗人(コリョサラム)」の悲劇を繊細に描き出す。 《さすらう地。さすらう闇。さすらう人々。 この物語は、この世界を彷徨い生きるすべての者の物語なのだ。》——姜信子 「キム・スムはこれまでも、一貫して「可視化されなかった苦痛、語りえなかった苦痛」を詳細に記録することで、忘れられゆく記憶を甦らせてきた。1937年の史実に基づくこの作品は、貨車の中で各々が語る身の上話や会話によって、見知らぬ土地で生き抜いてきた高麗人の歴史を重層的に浮かび上がらせている。」——訳者 【目次】 第一部 第二部 第三部 註 日本語版解説 旅人は「問いの書」を手に…………姜信子 訳者あとがき 【著者紹介】 キム・スム(김숨/KIM Soom) 1974年、蔚山広域市生まれ。韓国現代文学を代表する作家の一人。1997年、作家デビュー。 『ひとり』(岡裕美訳、三一書房)や『Lの運動靴』(中野宣子訳、アストラハウス)、『さすらう地』(岡裕美訳、新泉社)など多くの作品を通じ、疎外された弱き人々、ルーツを失った人々を見つめ、人間の尊厳の歴史を文学という形で甦らせてきた。 李箱文学賞、現代文学賞、大山文学賞などの主要文学賞を受賞。 2020年発表の『さすらう地』で東仁文学賞、楽山金廷漢文学賞を受賞。 【訳者紹介】 岡 裕美(オカ・ヒロミ) 同志社大学文学部、延世大学校国語国文学科修士課程卒業。第11回韓国文学翻訳新人賞受賞。 訳書に、キム・スム『ひとり』(三一書房)、イ・ジン『ギター・ブギー・シャッフル』(新泉社)。共訳書に、『韓国文学の源流 短編選2 1932-1938 オリオンと林檎』(李孝石「オリオンと林檎」、李箕永「鼠火」、書肆侃侃房)、『韓国文学の源流 短編選3 1939-1945 失花』(李箱「失花」、金南天「経営」、書肆侃侃房)、『韓国・朝鮮の美を読む』(野間秀樹・白永瑞編、クオン)など。 【解説者紹介】 姜信子(キョウ・ノブコ/KANG Shinja) 1961年、神奈川県生まれ。作家。著書に『生きとし生ける空白の物語』(港の人)、『平成山椒太夫』(せりか書房)、『現代説経集』(ぷねうま舎)、『はじまれ、ふたたび』(新泉社)、『忘却の野に春を想う』(山内明美と共著、白水社)など多数。共著に『完全版 韓国・フェミニズム・日本』(斎藤真理子編、河出書房新社)など、訳書にピョン・ヘヨン『モンスーン』(白水社)、ホ・ヨンソン『海女たち』(新泉社、趙倫子と共訳)など。2017年、『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)で鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。

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